ナッシュビルで起きた衝撃のレース展開
2025年9月1日(現地時間)、米国テネシー州ナッシュビルで開催されたG3格付けのダート競走において、1着賞金が日本円換算で1億円を超える高額賞金レースが実施された。各地から精鋭が集まり、米ダート戦線の話題をさらう結果となった。
注目集めた国際騎手と伏兵馬のコンビ
今回の主役となったのは、イタリアの名手フランキー・デットーリと、無名に近かったウィンブルドンホークアイのコンビだった。現地ブックメーカーのオッズでは単勝16倍と評価は低く、前評判を覆す結果に競馬関係者が驚きを隠せなかった。
レース展開と勝因の分析
レースは序盤から先行争いが激化し、前半800mは45.9秒のハイペース。人気馬が消耗していく中、ウィンブルドンホークアイは中団の内で脚を溜める冷静な立ち回りを見せた。
3~4コーナーで内からじわじわと進出し、直線では最内を突く形で一気に抜け出すと、後続を1馬身半突き放してゴール。勝ち時計は1分48秒2。馬場状態は良で、ラップタイムも例年より速く、高いレベルでの決着だった。
騎手の手綱さばきが勝負を分けた
フランキー・デットーリの騎乗ぶりは圧巻だった。内枠を利したロスのないコース取り、ペースを読み切った位置取り、そして直線での決断力。すべてが噛み合った一戦だった。
出走馬と結果一覧
着順 | 馬名 | 騎手 | タイム | 人気 |
---|---|---|---|---|
1 | ウィンブルドンホークアイ | F.デットーリ | 1:48.2 | 8番人気 |
2 | サザンクレスト | J.ロザリオ | 1:48.4 | 3番人気 |
3 | ベルモントフェニックス | I.オルティスJr. | 1:48.8 | 1番人気 |
4 | ダラスジェット | L.サエス | 1:49.0 | 4番人気 |
勝ち馬プロフィール
馬名:ウィンブルドンホークアイ
性齢:牡4歳
調教師:T.アムストロング(米)
生産牧場:ウィンブルドンスタッド(英国)
父馬:ホークエンパイア(Empire Maker系)
母馬:レディオブオールシーズンズ(Galileo系)
馬主:ゴールデンブレイズレーシング
過去戦績と成長の兆し
デビューは欧州芝競馬だったが、2024年から米国に移籍しダート適性を見せ始めた。初年度は3戦2勝、G2での掲示板入りもあり、期待の存在となっていた。今年は怪我明けで始動が遅れたが、叩き2戦目で一気に開花した形だ。
レース後のコメント
F.デットーリ騎手:「この馬はレースセンスが抜群で、ペースが速いと分かっていても動じなかった。直線での反応も素晴らしかった」
T.アムストロング調教師:「移籍当初からポテンシャルは感じていたが、ここまでやってくれるとは。次はG1路線を本格的に狙っていく」
今後の展望
勝利によりG1戦線の出走条件をクリアしたウィンブルドンホークアイは、次走として10月末のG1ブリーダーズカップ・ダートマイルが有力とされている。名手デットーリとのコンビ継続も視野に入れており、欧州血統馬による米G1制覇の夢が広がっている。
ダート路線への影響
今回の勝利により、国際的な視点からの米国ダート戦線への関心が高まりそうだ。特に欧州の良血馬が米国で才能を開花させる事例が増えつつあり、今後の移籍馬の流れにも注目が集まっている。